世間はお盆だが、休まず仕事をしている。今回は大阪南部エリアを歩くという企画で丸2日、活動した。1日目の夜は某駅前のホテルに宿泊、2日目は朝からフルで動き回った。
直射日光をずっと浴びるのは危険なため、前回の記事で紹介した日傘を携帯する。これがかなりよく、ずっと日陰を歩いているようでまったく苦痛ではなかった。実は、この仕事を想定し、日傘を買った経緯がある。
2日目、一通りの情報収集を終え、京都に戻ることにした。だけど、普通に帰るだけでは面白くない。そこで途中、乗り換えのために下車した天下茶屋駅周辺で、一杯ヤッてやろうと考えつく。
天下茶屋駅までの車中、呑むための店をスマホで検索、目ぼしい店を発見する。口コミを一通り読んで、あぁ、これがいいじゃないかと決めたのが「大阪せんや」という餃子を出す店だった。
駅から徒歩4分で到着。赤いテントが目印の外観、いい感じだ。
時刻は16時41分と食事時にしてはまだ早い。ドアを開け、店内を覗き込むと満員だった。しかし入口すぐに座っていた中年カップルの女性の方が「もう出ます」とのことで、グッドタイミングで入ることができた。
店内はカウンター、7席のみ。ちょうど入れ替わりの時間帯だったのだろう、結局、もう1組も店を出て、残ったのは少し前から飲んでいる60代と思われる男性と私だけになった。
食べ物のメニューは餃子オンリーで、1人前は8個入り350円。それを2人前と瓶ビールを注文する。「アサヒですか、キリンですか」と言われ、「キリンで」と伝える。
餃子が来る間、店内を観察していると目の前にいろいろシールが貼られているのを発見する。天下茶屋出身の、あの有名なボクシング一家のお父さんのものもあった。
先にビールが届いた。
喉を潤し、餃子を受け入れる態勢を整える。
私の目の前に主役の餃子が置かれた。ベテランの技による、何か完成された美しさを感じる。
カウンターに置かれた調合済みのタレを小皿に入れ、そこへ酢を増量、さらにラー油を数滴垂らして準備は完了。餃子を1個、割り箸でつまんでタレをちょこっとつけ、食べた。
薄皮で上品な味わいで、とてもうまい。これはビール、ナンボでもいけるヤツです。
続いてビールをコップに注いで8割がたいただき、また餃子を1個食べた。うーん、よい。無限ループ、という言葉が頭に思い浮かぶ。
私が飲食している間、店主はもう1人のお客と話しながら、皮に具を入れるなどの仕事をせっせとこなしている。
2人の会話を聞いていると、最近、店主は体調を崩し、しばらく店を閉めていたという。ようやく復調し、店を再開したそうだ。私は横目で2人の表情を交互に見ながら、この空間にいることそのものを楽しんでいた。
しばらくするとお客が帰り、店内は私と店主の2人だけになった。すると「遠くから来られているんですか」と聞かれたので、「はい、京都からです。大阪で仕事をした後、天下茶屋駅で乗り換えのタイミングで来ました」と答えた。
その後も、この店の歴史や餃子の特徴、また店主の歩みなんかを伺った。おいしい餃子を食べるだけでも満足なんだが、こういうやりとりがあると楽しい時間になる。
餃子を追加注文することも考えたが、ゆっくり食べたためかもうお腹はよい感じになっている。お勘定をお願いすると1250円とのことだった。大満足である。
じゃあ、また来ますと行って店を出た。空を見上げると快晴。よかったな。
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