九州へ出張 その3。復興の城と辛島町のホルモン天ぷら丼

九州

九州へ出張シリーズ、その3。宮崎から熊本へ入り、これで完結編である。仕事が終われば、やはり熊本城には挨拶には行かねばならぬとやってきた次第である。

おそらく9年ぶり。城を歩く連れは、取材チームのリーダー。私と同じ年で話も合う。彼は帰りの飛行機まで少しあるとのことで、短時間ではあるが行動を共にすることにした。男2人で城郭を巡るというのも、まあ悪くない。前回来た時は、まだ地震が起こってまもなく、その傷も癒えない時期だった。石垣は崩れ、痛々しい空気が漂っていたのを覚えている。

だが今回、足を運んでみると、城周辺はすっかり観光地として整備されていた。見違えるようである。

堀の方を覗くと、スモークのようなものが焚かれていて、妙に雰囲気がある。これは工事や作業をしているところを見せないための工夫か、それとも雲海に浮かぶ城をイメージした演出なのか。

判然としないが、なかなかの風情だ。城というものは、こういう仕掛け一つで随分と表情を変えるものらしい。

とはいえ一部には、まだ石垣が崩れている箇所もあり、そこだけは時が止まったようで痛々しかった。復興とは、かくも長い時間を要するものかと、改めて思う。

天守閣へ上がる。風景を見ると街を遠くまで見通せる。 昔のお殿様はこんな気分で、下々の営みを見下ろしていたのだろうか。もっとも、現代のビル群とは違い、当時は瓦屋根の海が広がっていたはずだが。

城を後にし、繁華街へ。辛島町の商業施設で昼食をとることにした。 選んだのは「ホルモン天ぷら丼」。

このメニューは熊本の名物なのか、それともこの店が勝手に考案したもので、土地とは全く関係ないのか知らないが、食べてみるとおいしかった。ホルモンの脂と衣の油が混じり合い、何とも言えない背徳的な味がする。

そこで取材チームのリーダーと分かれ、ぼくは一人、辛島町の商店街を散歩する。 とにかく立派な商店街である。アーケードも整備され、雨の日でも濡れずに買い物ができる。近代的で、明るい。

でも横道にそれると、味わいのある小道が伸びており、なかなかいい感じだ。表通りの立派な顔とは違う、生活の匂いがする裏の顔。都市というものは、こういう路地にこそ本音が隠れているような気がする。しばし、その雑多な風景を楽しんだ。

とまあ、そうこうしている間に帰りの新幹線の時間になった。 路面電車に揺られ、熊本駅へ向かう。電車のガタゴトというリズムが、旅の終わりを告げているようだ。

次に来るのはいつになるのだろうか。 案外、すぐに来たりして。

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