今年を振り返る中で、もっとも印象深い出来事がある。それは、釧路湿原を巡る一連の不思議な巡り合わせだ。
メガソーラー問題と鶴居村の決断
近年、日本各地でメガソーラーの建設が相次いでいる。再生可能エネルギーの推進という名目の裏で、景観破壊や生態系への影響が深刻な問題となっている。特に注目を集めたのが、北海道・釧路湿原での建設問題だ。登山家の野口健氏をはじめ、多くの著名人がこの現状に警鐘を鳴らした。
私自身、仕事で各地を訪れる際、山肌を削り取って並べられた黒いパネルの群れを目にするたび、かなり違和感を抱いていた。
そんな中、一つのニュースが目に留まった。釧路湿原に隣接する鶴居村が、メガソーラー建設を阻止するために、建設予定地を含む民有地を村が買い上げるという。自治体が自ら土地を守るために動く、その「熱い」姿勢に心が動いた。
寄付、そして直後の電話
村は土地の購入資金を募るため、寄付を呼びかけていた。私は迷わず賛同した。地図を確認すると、そこは北海道の中でも容易には辿り着けない場所に位置している。おそらく一生のうちに足を運ぶことはないだろう。そう思いながら、ある日の午前9時過ぎ、指定の口座に寄付金を振り込んだ。
その直後、不思議なことが起こった。
午前中のうちに、一本の電話が入った。相手は、私が寄付をしたことなど知らない取引先の出版社である。用件は「釧路で取材をしてほしい」という依頼だった。寄付からわずか数時間後の出来事だ。環境問題についての取材ではなく、まったく別のビジネス関連のテーマだった。しかし、あまりのタイミングの良さに、鳥肌が立つような感覚を覚えた。
釧路湿原へ
京都から釧路への移動は簡単ではない。仕事場から近いという理由で、最終的に降り立ったのは中標津空港だった。

IMG_20250925_164121_038.jpg
関西から中標津空港は直行便がなく、2本を乗り継いで現地に向かった
アポイントメントは午後3時。移動時間を考えると日帰りは不可能であり、結果として現地に3日間滞在することになった。
滞在中、取材の合間に時間を調整し、念願の釧路湿原を訪れた。

目の前に広がる釧路湿原

IMG_20250926_084602_096.jpg
案内図に「鶴居村」の文字を発見した時はうれしかった
目の前に広がる圧倒的な原生林と湿地帯。この景色を守るために自分はわずかながら寄付をし、その直後に導かれるようにこの地に立っている。ニュースで問題を知り、寄付を行い、仕事の依頼が舞い込み、実際にその地を訪れる。この一連の流れは、単なる偶然の一致と片付けるにはあまりにドラマチックだった。

宿泊したのは釧路駅近くのホテル

夜は釧路市内の老舗居酒屋で楽しんだ
私は導かれたのか
今年、私にとって最も思い出深い出来事は、この釧路での体験だ。行動が結果を呼び寄せたのか、あるいは何らかの意志が私を呼んだのか。つまり導かれたのか。
これに関連して、現地で感じたことや考えたことは他にもある。しかし、それについては、また次回のブログにでも書こうと思う。



コメント