岡山県笠岡市で仕事があった。その前は博多にいた。 博多から京都へ一旦戻り、また笠岡へ出かけるのも、効率が悪い気がした。そこで、中国地方に腰を落ち着けることにした。 笠岡へのアクセスが良く、それでいて魅力的な土地。そう考えて、広島の尾道を選んだ。
尾道には何度も足を運んでいる。しかし、泊まるのはこれが初めてだ。 宿は海沿いの、景色が抜群に良いホテルにした。そこへ二連泊することに決めた。


ホテルの窓からの風景。海が見え、もう最高だ
尾道は実によく、絵になる街だ。 細い路地が幾筋も走り、坂を上がれば海が見える。

あちこちで見られる魅力的な路地
林芙美子が過ごした場所としても知られ、文学の香りが漂っている。

尾道駅近くにある林芙美子の像
映画の舞台にもしばしば選ばれる。 だからだろう、街全体に文化的で、どこか澄ましたような空気が流れている。
夜は、ふらりと居酒屋へ入った。 誰かと賑やかに飲むのも悪くないが、一人でカウンターに座っているのも、また一興だ。 注文を済ませ、手持ち無沙汰にグラスを眺める。 隣の客の話し声が、心地よい雑音となって耳を通り過ぎていく。一人の時間は、自分自身の輪郭をはっきりとさせてくれる。

居酒屋で一人飲むのも悪くない
私は仕事柄、全国各地へ行く。 これまでは、用が済めば早々に帰路についていた。しかし、これからはあんまりあくせくしたくない。 せっかく現地に来たのだから、その土地の空気を吸い、時間を贅沢に使う。 そんな「余白」を楽しめるようになりたいと思っている。
窓の外では、尾道の海が静かに光っていた。 明日は、あの細い路地のどこかを、あてもなく歩いてみようと思う。


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